攻めに繋がる左足の使い方
大人から剣道を始めた方は足さばき、特に左足の使い方をしっかり身につけるといいかと思います。
一般に剣道では、攻めというと右足を連想される方も多いかと思います。
ですが、攻めの本質は左足にあるのです。
その理由は、間合いの攻防に重点を置いた稽古を意識して行えば自然とわかってくるでしょう。
特に、昨今の剣道は打ち間でタイミングをはかり、スピードで1本をとろうとする傾向があり、ある意味、今の剣道には間合いの攻防がないと言えるかもしれません。
ですが、剣道で大事にしなければならないのは、打ち間に入るまでの攻防です。
その攻防で相手を崩すことができていれば、スピードやタイミングに頼らなくても相手を打つことが出来るからです。
これが若い剣士が、年配の剣士に勝てない理由でもあるのではないでしょうか。
良く剣道では間合いを盗むという言葉を言われることがありますが、右足だけをいくら動かしても、間合いを詰めることが出来ません。
相手との間合いをはかる起点となるのは左足です。
特に中高年や女性の方は、スピードで1本をとることはなかなかできません。
遠間から互いに竹刀が触れ合う間、一足一刀の間、打ち間と、これらの間合いの働きを知っておかないと左足の重要性は理解できないかもしれません。
左足で間合いを詰め、中心を取り、相手を崩して万全の状態で打ち間に入る。
これが攻めとなり、相手が崩れる。
剣道では中心の取り合いであると言われますが、今は蹲踞の姿勢から立ち上がるやいなやすぐさま間合いを詰め、打ち間で攻防をしようとする若い人が多く見受けれます。
それでは中心の取り合いはできず、大事な間合いの攻防もおろそかになってしまうので、大人から剣道を始めた方は、まずは間合いを大事にして稽古に取り組んでみてはいかがでしょうか。
そうすることで、足さばきの重要性が身に染みてわかってくると思います。